2020年5月5日放送のNHK連続テレビ小説「エール」に山崎育三郎さんが登場しました。テロップでは「謎の男 山崎育三郎」となっていました。
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この「謎の男」が主人公・古山裕一(窪田正孝)の幼なじみ・佐藤久志あることが「エール」の公式ホームページで公開されています。
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子供の頃はお金持ちで裕一に勇気を与える言葉をくれる、ちょっと賢いこの子です。
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公式ホームページの登場人物紹介では「佐藤久志は古山裕一(窪田正孝)の小学校の同級生で、県議会議員をつとめる裕福な家の息子。のちに東京の音楽学校を卒業し、歌手となって裕一の曲を歌い人気を博す」とあります。
では山崎育三郎さん演じる佐藤久志のモデルになった歌手・伊藤久男とは、どんな人だったのか?ザックリまとめてみました。
【ネタバレ注意】伊藤久男について知ってしまうとドラマのネタバレになってしまうかもしれませんのご注意ください!
◆伊藤久男ってどんな人?
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伊藤久男は、1910年7月7日生まれ。福島県本宮市出身の歌手。生家は裕福な豪農で、父は県会議員を務め、兄は福島県会議員を経たのちに国会議員も務めている。もともとはピアニストを志していたが、家族の反対にあい東京農業大学に入学。その後、家族に内緒で農大を退学して帝国音楽学校に入学するが、家族に知られて仕送りが中止されたため、コロムビアで合いの手やお囃子を吹込むアルバイトを始める。
これがキッカケとなって歌手としての道を進み、1940年には同名映画の主題歌「暁に祈る」でヒットを飛ばしてスター歌手の仲間入りを果たす。戦後も「イヨマンテの夜」「山のけむり」などをヒットさせ活躍した。1983年4月25日死去。享年72歳。
◆伊藤久男と古関裕而の出会いは?その関係は?
ドラマで山崎育三郎さんが演じる佐藤久志は古山裕一(窪田正孝)と同級生という設定ですが、モデルとなった伊藤久男と古関裕而は同級生ではありません。古関裕而と同級生だったのは伊藤久男のいとこで、古関裕而と伊藤久男は東京に上京してから出会ったようです。
2人の出会いのキッカケは1931年4月に古関の妻・金子(二階堂ふみ演じる関内音のモデル)が帝国音楽学校の声楽家に入学したことで、古関夫妻は学校の近くに引っ越しました。その年の8月に金子と同じ帝国音楽学校に伊藤久男が入学、金子と同窓で学ぶことになります。古関夫妻宅と下宿が近いこともあり、伊藤久男は古関夫妻宅を頻繁に訪れ音楽談義をしていたそうです。また伊藤久男が実家からの仕送りを止められた際には、学費を稼ぐために古関の紹介で大衆歌謡のレコード歌手の仕事を始めることになりました。
◆伊藤久男が歌った誰もが知ってる代表曲は?
伊藤久男は古関裕而とのコンビで数々のヒット曲を生み出していますが、中でも現在でも夏の全国高等学校野球選手権大会の歌として歌い継がれている1949年の「栄冠は君に輝く」が有名です。また同年に発表した「イヨマンテの夜」がヒットし、第9回と第15回NHK紅白歌合戦で披露しています。
伊藤久男「栄冠は君に輝く」
【栄冠は君に輝く】 伊藤久男 作曲:古関裕而【夏の全国高等学校野球選手権大会の歌】
伊藤久男「イヨマンテの夜」
◆【小ネタ】山崎育三郎もビックリのイケメン歌手!?
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伊藤久男のイメージは懐メロ番組の「イヨマンテの夜」映像で晩年の姿しか見たことがなかったのですが、デビュー当時の写真がイケメンすぎてビックリでした。
裕一のモデル古関裕而と福島商業の同級生だったのは伊藤久男のいとこですが、その弟が早稲田大学応援団の幹部・伊藤戊(しげる)で、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」の作曲者に古関裕而を推薦することになります。
ちなみに伊藤戊の実家は福島県の大天狗酒造という酒蔵で現在、若き日の伊藤久男の写真がラベルになった「大天狗 純米吟醸酒 伊藤久男ラベル」という日本酒を製造・販売しています。
2019年の台風19号で被災され、再起を目指し奮闘されているようなので、気になった方は消費することで支援をしてみてはいかがでしょうか。
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【最後に…】
佐藤久志のキャラクターは実在の人物とかなり違った設定で、謎の多いキャラクターとして描かれていますが、徐々にその正体が明らかになってくると思います。日本を代表する歌手の役なので、山崎育三郎さんの歌唱シーンにも期待しましょう!