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朝ドラ「エール」大将 村野鉄男 役=中村蒼さん 実在のモデル 作詞家 野村俊夫とは?名曲は?【小ネタ】

 

 

 

2020年5月7日のNHK連続テレビ小説「エール」で、中村蒼さん演じる大将こと村野鉄男が裕一(窪田正孝)の作曲家への道を後押しするとともに「俺も行く!作詞する!」と作詞家になることを宣言するシーンが放送されました。

裕一と共に作詞家への道を歩みはじめた中村蒼さん演じる村野鉄男。そのモデルになった作曲家・野村俊夫とは どんな人だったのか?ザックリとまとめてみました。

 

 

村野鉄男(中村 蒼)

中村蒼 村野鉄男

 画像引用元:https://www.nhk.or.jp/yell/cast/tetsuo.html

魚屋「魚治」の長男。父親の仕事を手伝って魚を売り歩く。けんかが強く近所のガキ大将だが、一方で詩を愛する優しさも持っている。のちに作詞家となり裕一(窪田正孝)、久志(山崎育三郎)とともに福島三羽ガラスと呼ばれ人気を博す。

大将

画像引用元:https://www.nhk.or.jp/yell/story/week_02.html

 

【ネタバレ注意】野村俊夫について知ってしまうとドラマのネタバレになってしまうかもしれませんのご注意ください!

 

 

 

◆野村俊夫ってどんな人?

野村俊夫

画像引用元:野村俊夫 - Wikipedia

 

大将こと村野鉄男のモデルとなった野村俊夫は1904年生まれ、福島県福島市の出身の作詞家で詩人です。実家は魚屋で古関裕而とはご近所さんの幼なじみだったそうです。野村は福島商業高に入学するも、病気と家庭の事情が重なり中退。奉公に出たのち、1924年、福島民友新聞社で働くようになりました。福島民友新聞では文芸欄を作り、そこで詩を発表していました。

1931年に古関裕而のすすめで上京し、古関作曲の「福島行進曲」で作詞家としての道を歩み始めます。当初はフリーの作詞家として活動していましたが、1939年に藤山一郎の「上海夜曲」がヒットしてコロムビア専属の作詞家になります。

その後もヒット曲を多数生み出し、生涯に作詞した曲は3000曲といわれています。1951年からは日本音楽著作権協会(JASRAC)の理事も務めていました。1966年10月に62才で亡くなりました。

 

 

◆古関裕而との関係は?

朝ドラ「エール」で中村蒼さん演じる村野鉄男は同級生として描かれていますが、モデルとなった野村俊夫は裕一(窪田正孝)のモデルとなった古関裕而の5つ年上の近所のガキ大将だったそうです。またドラマでは不況の影響で鉄男一家が夜逃げをするストーリーでしたが、実際の魚屋は繁盛店だったそうで、家が傾いたのは父親が相場に手を出して失敗したことが原因だそうです。

また古関が「竹取物語」で国際作曲コンクールで銀賞受賞以降は、福島民友新聞の子供欄で、子どもが書いた詩に、古関が曲を付ける企画などを掲載し、交流を持っていました。

1931年に古関裕而のすすめで上京し、古関作曲の「福島行進曲」で作詞家デビュー、1940年には映画の同名主題歌「暁に祈る」が大ヒット。作詞の野村俊夫、作曲の古関裕而、歌手の伊藤久男は「コロムビア三羽ガラス」と呼ばれ、3人が生み出す楽曲は次々に大ヒットを連発し、昭和歌謡の発展に大きな役割を果たしました。

コロンビア三羽ガラス

画像引用元:https://twitter.com/hinoyagakkiten/status/1245938446352277506/photo/1

 

 

 

◆野村俊夫の代表曲は?

野村俊夫の最初のヒット曲は1939年の藤山一郎「上海夜曲」で、作詞家デビューから実に8年もかかっています。その後は「暁に祈る」など「コロムビア三羽ガラス」で戦時歌謡のヒット曲を生み出し、戦後は古賀政男や船村徹とも組んで昭和歌謡の名曲を生み出しています。

 

伊藤久男「暁に祈る」

作詞:野村俊夫 作曲:古関裕而


暁に祈る 伊藤久男

※コロムビア三羽ガラス最初のヒット曲です。 

 

近江俊郎「湯の町エレジー」

作詞:野村俊夫 作曲:古賀政男


湯の町エレジー 近江俊郎

※ドラマで村野鉄男演じる中村蒼さんと木枯正人演じる野田洋次郎さんのからみはあるのでしょうか?楽しみですね!

 

島倉千代子「東京だヨおっ母さん」 

作詞:野村俊夫 作曲:船村徹 


島倉千代子 / 東京だヨおっ母さん

※僕の一番身近な野村俊夫の曲は島倉千代子さんの「東京だヨおっ母さん」です。朝ドラ「エール」に島倉千代子さんがモデルの歌手とか出てこないかなー?キャスティングは伊藤沙莉さん希望ですw

 

 

 

【小ネタ】ドリフの名曲は野村俊夫作詞曲の替え歌!?

この記事を書くにあたって色々調べていて、はじめて知ったのですが、ザ・ドリフターズの「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」は実は野村俊夫が作詞した「ほんとにほんとにご苦労ね」の替え歌なんだそうです。「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」の替詞はなかにし礼さんが担当しています。

 

「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」

原詞:野村俊夫 替詞:なかにし礼 作曲:倉若晴生 編曲:川口真


ドリフターズ ほんとにほんとにご苦労さん

 

山中みゆき「ほんとにほんとに御苦労ね」(1939)

作詞:野村俊夫 作曲:倉若晴生


ほんとにほんとに御苦労ね

 

 【最後に…】

村野鉄男のモデル、作詞家・野村俊夫については、1966年に亡くなられているということもあって、ほとんど知らなかったのですが、実は古関裕而と共に数多くの名曲を生み出しているスゴイ作詞家だと知りました。この天才作詞家と天才作曲家のコンビが幼なじみだったという奇跡がなかったら、日本の歌謡史が変わっていたかもしれません。

いよいよ東京編に突入する 朝ドラ「エール」で日本の歌謡史に名を刻む人たちがどんな形で描かれるか楽しみですねー!

 

 

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